12月に放送された、NHKEテレ「ヘリコプター・ ペアレント」の回。
年が明けた直後に放送された総集編(除夜の鐘が鳴り終わった後に煩悩を垂れ流すNHKEテレさんありがとうございます)で再度この番組を視聴して、今度は別の感想が生まれましたので、今回の記事にいたします。なお、私はこの番組を録画し、元日の昼間に視聴しました。これ、生で見ていたら初日の出は拝めたかもしれませんが更に堕落した正月を迎えていたかと思います。
前回記事中、「全く共感できるところがない」と書きました。今回見てもやはり共感するところはありませんでした。しかし、日頃お子さんを持つ母親の不安を耳にしていて、番組視聴中にその不安を思い出すに連れ、母親の心情に理解できるまでに至りました。
「中学三年生の娘が友達と池袋に行ったことをスマホの覗き見で知った」というくだりです。「池袋ぐらいいいじゃん」という司会のお二人に対し、母親は
「池袋の先に何があるか知ってます?新宿ですよ?その先には渋谷。渋谷なんて怖いところ、は中学生には早すぎます。」
と言うのです。その時、どこかで聞いた言葉を思い出しました。
「Zeppなんばで行われるライブに行きたいって!そんなの中学生の娘には危険すぎる!」
場所はこちらです。
なんばというより恵美須町ですね。今宮戎神社に家族で正月に初詣に行くのなら許せても、夜にオールスタンディングのライブに未成年の娘が行くのはいろいろな犯罪の危険性を考えると不安ですね。ちょっと悪い人が多いアメリカ村に迷い込む可能性は低いとはいえ、ちょっと別世界が近いですからね。
堕ちてしまうと一発アウトなことが結構日常の中に潜んでいて、中高生を狙っていると話を聞く機会も増えました。その犯罪の芽を早めに摘み取らないといけない!という母親の使命感(不安から来る)が過剰に働くのでしょう。
薬物以外にも一発アウト案件が増えました。いわゆる「バカッター」です。
標識に登ったり、アイスケースの中に入ったり、昔なら関係者以外誰にも見られず若気の至りで済んでいたものが、Twitterという全世界に拡散されるツールのおかげで、全世界から非難を浴びて本人のみならず家族学校まで叩かれるようになりました。若気の至りを全世界に自慢しちゃう発想をもつのがちょっと残念ですが・・・。
それでいて、「正しいこと」をどこまでも追及する社会。息苦しいと思うのですが、不寛容な人にとっては今までが息苦しかったんでしょうねえ。(このあたりについては別記事にします)
それと、母親を不安にさせていろいろなものを買わせようとする商売が多すぎです。塾や大学も含めて。そういった不安が、母親が子供を四六時中監視するようになって一挙手一投足を管理するようになってしまったのでしょう。
この不安を緩和するのは一筋縄では行きません。子供は間違えながら成長するからです。何度も間違えるのに耐えられる心の強さを母親のみに押し付けるのも現実的ではありませんし。