件の牛乳石鹸のCMを見た。
これを見て、「こういうふうに考える人は普通で、むしろ迷えるだけマシだと思う」と感じました。ちゃんと、表に出さずに家族のいないところで迷っている。優しいお父さんじゃないですか。
だって、
子供のことを放り出して仕事の飲み会に行って帰ってこないとか
急な仕事を放り出して家族のために帰るとか
お母さんの立場から考えれば「家族の気持ちを満たしてこそお父さん!仕事はその次!」が理想なのかもしれないけれど、CMでは「後輩が叱られて話を聞いたため、少し遅くなった」(しかも子供がまだ起きている時間に帰っているから、それ以外の仕事の段取りを付けている)のですが、
「同僚の子育て中の女性社員のところの子息が病気になって早退しなければならず、彼女の残した仕事をカバーして遅くなった」だと、誰もスッキリしない展開になりますね。共働きの場合、お母さんの側もそういった経験はあるじゃないですか。自分の加害体験を思い出してほんとにすっきりしない。
母親から見れば「自分が作り上げた家族が絶対で、それを優先する。自分も家族のためにいろいろなことを犠牲にしている」と共感してほしいのかもしれませんが、それを誰もが実践してしまったら社会は回らない。例えば、我が子が熱を出して今すぐにでも駆けて行きたい病院。夜遅くまであいててよかった病院。そこのスタッフには家族がいないのでしょうか?最たるものは開業の小児科医です。子供の命を護るために、家族とともに過ごすであろう時間を削っている。
もしも、家族がいない人ばかりで夜間休日を担ってほしいと思えば、お返しにその人達の老後の生活をすることも想像しないといけない。
そういうことを想像してしまうと、何も出来ない!となってしまうかもしれません。
また、心理面でバランスをとるのも難しいです。
家庭を顧みない父親を見ているのに、180°転換しろというのは、虐待してるわけでもないのに自分の父親を完全否定することになってキツイのではないでしょうか。
一代ですべて虐げられた歴史を取り戻そうとするのは急なのではないかと考えます。
つまり、
社会というのはバランスをとるのが非常に難しいこと
そのバランスを苦悩しながらぎりぎり取っているのは老若男女同じだ
これは、誰しも持っておいてほしい認識だと思います。
こちらのツイートとそれに連なるツイートをご覧くださればストンと落ちるのではないかと思います。
牛乳石鹸CM見た。CMと言うジャンルじゃなければここまで炎上しなかったんじゃないかとは思う。理想像を描こうとしている、と見る人が多いのにびっくりしたけどそうじゃないでしょ。これは男の中にある価値観のゆらぎと迷いの話でしょ。普段は迷いなく良いパパやってる人だと思うけど。
— 窓の外 (@madosoto) 2017年8月15日
牛乳石鹸のCM炎上と聞いて、「ブレンディといい晩餐館といい、牛が絡むCMは何故かよく燃えるなあ」と思いながら見に行ったんだけど。 pic.twitter.com/M3AlljrMa3
— 猫柳墓場 (@NM_amida) 2017年8月16日
新井浩文さんを出演させた時点で、いいパパ一辺倒なわけがないですよね。過去の役を考えれば、どちらかといえば悪役だったり熱い役の方が多いですよね。その人に抑えた演技をさせてるわけですよ。
清涼剤となったのがこのツイート
うちの事は嫌いでも、牛乳石鹸は嫌いにならないでくださいm(__)m
— 新井浩文 (@araihirofumi) 2017年8月16日