思考と表現の日々

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そろそろ便利を少しずつ捨ててみないか

スキーツアーバス事故で娘さんをなくした父親のコメント

通夜のあと報道各社の取材に応じ、用意したコメントを読み上げました。

「(前略)今回の事故については、憤りを禁じ得ませんが、多くの報道を見ていると、今の日本が抱える、偏った労働力の不足や、過度な利益の追求、安全の軽視など、社会問題によって生じた、ひずみによって発生したように思えてなりません。今回の事故については、警察によって原因と責任の追及がなされ、また、行政による旅行業者の問題の洗い出しや、改善が行われることを期待しておりますが、すぐによくなるものではないと思っております。きょうも多くの若者がバスツアーに出かけているでしょう。ぜひ、自分の身は自分で守るということを考えてください。優先順位を間違えないこと、安全は『マスト項目』であり、費用削減は『ウォント項目』であることを冷静に考えてほしいと思います。今回の事故につながったツアーに関して、私たちは娘を信用しきって、内容をほとんど確認せずに参加させてしまいました。あとの祭りにはなりますが、『ツアーがどんな内容か』とか、『ちゃんとシートベルトを締めろよ』とかの声がけをすべきであったと悔いております。親兄弟、おじいちゃんおばあちゃんとして、子どもたちに何が大切なのかを気付けるような声がけをしてほしいと思います。お節介だとか、うざいとか思われるかも知れませんが、年長者の役割のように思っております。1月15日は、私たち家族やほかの遺族にとっては命日になりますが、報道関係者や旅行業者の関係者などにおかれましては、このような事故が起こらないように、毎年、何らかの発信、行動をなすようにしていただければ、今回の事故の犠牲者がみなさんの心の中に生き続け、安全に対する心のたがが緩むことを防げる一助になるのではないかと思っております」。

NHKニュースからなのだが、1週間ぐらいでサーバーから消えてなくなってしまうので、ここに記載します。他の新聞社が掲載していないのですが、非常に素晴らしいコメントなので消えてしまうのはもったいない。

 怒りを禁じ得ない、と正直な感情を述べた上で今後どうあるべきでなおかつ現実的な道筋を話すのもすばらしいです。この方はかなり社会的な立場が高いのだと推測します。感情を述べることでコメント自体に誠実な印象を受けます。そして、最初に読む人の共感を得ることに成功しています。(感情が先走る人に対し効果的)

 規制というのは 客、現場の従業員、経営者など関わる人全てに過重な負担が掛からないようにすることで事業を継続するためのものです。中には、その規制以上に頑張れる人がいます。対し、どう頑張っても規制の上限をクリアできない能力の人もいます。後者の人を就労の現場から追い出すというのは結果的に社会保障の額が増えます。残った人で死に物狂いで働かないといけなくなります。規制以上に働ける人のための方策も必要と考えますが、それは何であるのか現時点では私は思いついていないので書きません。体力的だったり家庭の事情で長く働けない人に対する就労支援をするのがこれから生産年齢人口が減少を続ける日本では現実的な策ではないかと考えます。生産年齢人口が減るということは、働ける人が減るということ。今後、人が集められず淘汰される事業も出てくると思われます。また、店舗の営業時間も短縮される可能性があります。

 

 それがないと心身の健康に影響が出たり死者やけが人が出るものについてはニーズであり、それ以外はウォンツです。ニーズとウォンツは切り分けて考えないといけません。

 価格というのは原価と人件費だけでは成り立ちません。次の設備投資の費用や今ある借金を返すための費用、事業が止まらないための運転資金。それらを含めた額です。利益が出たからといってすぐに経営者が遊ぶ金と考えるのは早合点です。事業をできるだけ長く続けることが最も利益も得られる上に名声も得られます。

自分の給与は高く、仕事は楽であって欲しい。他人には尽くしてもらいたい。それを皆が思っていれば誰も幸せにならないです。目の前の他人も、誰かの親であり誰かの子であり誰かの隣人であり誰かの友人である。そう考えれば目の前の人に優しくなれると思います。「何にもできない!自分だけガマンすればいいんだ!」と反発したくなる場合は、おそらく他人に迷惑をかける事に恐怖を感じていると思います。もしくは自分が特別な存在であると信じ込んでいる人です。

 

 実現できる便利と、非常に無理している便利。既に限界に来ている便利。自分はどれが必要なのか、何が大切なのか自分の言葉で表現し、必要な物ばかりにそぎ落としてはどうでしょうか。自分が何を好きなのか表現することに慣れていない(心のままに表現するよりも相手の気に入る表現をし、あたかも自分がそう思っているように強制していき、何が本音なのかわからなくなる経験をしている人が多いと思います。本音を制限なしに表現できる環境があればかなり幸せになります。j