商品が店舗スタッフとの対話で客に合ったものに仕上がっていくお話です。
昨日リニューアルして「万年筆店」と化したNAGASAWA梅田茶屋町。売り場の2/3が万年筆とインクの売り場になっております。近隣に梅田ロフト、ちょっと歩いた場所に伊東屋グランフロント大阪、ヨドバシカメラマルチメディア梅田(ヨドバシの文具の品揃えは侮れません:ヨドバシの中でも文具の在庫は多い方です)、阪急百貨店、阪神百貨店、東急ハンズ梅田、蔦屋書店とあまたの文具店との競合が見られます。
個人的にはNAGASAWA、ヨドバシ梅田、東急ハンズの順ですねえ。書籍でもMARUZEN&ジュンク堂梅田で事足りますし。紀伊國屋書店梅田はゆっくり本が選べない、蔦屋書店は自分の読む本をおいてないんですねえ。
その、MARUZEN&ジュンク堂梅田で購入した万年筆(とその付録の日経ビジネスアソシエ)を持ってNAGASAWA梅田茶屋町に行きました(もう常連)
「日経ビジネスアソシエ買ったんですよ」と言ったところ店の方が
「見たい見たいー」とおっしゃるのでお見せしたところ、意気揚々と万年筆を見ていました。何か思うところがあったのでしょう( ´∀`)
「これコンバーター入りますかね?」とやってみたところ
入りました。
使用したのはこちら。
rotring ロットリング 消耗品(インク・リフィール等) 筆記具 コンバーター
ペンに差し込む方に金属がついていない、樹脂のもののほうがうまく入るそうです。
ここからが本番。
「調整していい?」
と非常にワクワクした様子で言ってこられたので「いいですよー」と言ったところ、
どんどんヤスリで削られていくペン先。スムーズに流れるように進むペン先。
で、結果が上記の手書きです。非常に書きやすいです。なんと万年筆よりコンバーターの方が価格が高い仕様になりました。
さすが付録の万年筆と思ったのは
フタをペンのおしりにつける時にうまくハマりづらい。
もちろんそれだけでは終わってはいません。
NAGASAWAオリジナルセンチュリースケルトン(センスケ)リニューアル記念にペンケース付きです。こちらも意気揚々と調整されました( ´∀`)。
「太い文字でインクの濃淡を楽しみたいんですよー」と言ったところこれまた嬉しそうに。細字だとインクの色の差が出にくいんですよ。それに、私の筆圧では細字は厳しいのです(-_-;)
なお、たまたま調整してもらったわけで、いつも調整してもらえるとは限りません。ただし、こちらの商品は検品されたものが店頭に並んでいます。
万年筆に限らずですが、自分の中で「これだけを買う!」ときちっと固めて買いに行くと、それ以上の商品の活用方法が見いだせないことが往々にしてあります。自分の目的と買うつもりの商品が一致していない場合もありますし。それを調整するのが従業員との共同作業と認識しています。「要らないものを買わされる」場合、従業員の技量不足か、客の側が正確に自分の欲求を把握していない場合両方あると思います。例えば、「一食家族4人500円で腹を満たすもの」とだけイメージしていて、実際に店に行くと「魚メイン」「肉メイン」「調理時間の掛からないもの」などと細分化されていきますね。場合によっては細分化されたことのほうが主目的になる場合があります。
「明日の朝早いから調理に時間がかからないもので、明日の弁当にも応用できるから500円は超えるけどこちらの食材にしよう」などと。
誰にでも共通する機能はだんだん工場で作られたものがネットショップで売るだけでいい時代になるのですが、大なり小なり個人の欲求、販売対象群の欲求があると思うのです。自分自身の欲求を共通する機能に落とし込んで得たいものは何か?そこまで考えて商品を購入するようになれば、商品を使い捨てにしないで済むのではないかと思います。
従業員に必要な技量は、商品に対する知識をどう顧客が使用する状況に当てはめていくかという応用技能だったり、客が言葉にできていない自身の心の欲求を整理したりする能力ではないかと考えます。
最大の欲求が「人と接したくない」場合は自動販売機に負けますが(;´∀`)
それにしても、一度プロの方に自分自身に合う万年筆を選んでもらいたいなと思っております。対話の中で、真の欲求がどこにあるのか知りたいです。それまでは色々なペンを書いていかないと自分も店の方も見極めにくいだろうとは思っています。